2021-07-13 この世に死ぬ権利はない ー命の尊さについてー 哲学 命それ自体が尊いです。命を分類選別することは、生物として非論理的です。 尊いと言えないならば、なぜ、生物は皆、生きようとして生まれてきているのでしょうか。 そもそも、生き物は、死にたいと思って生まれてきません。生き物は、生きようとして努力するか、又、生きようとして訴えます。それが生き物です。 死ぬ権利の主張は、生き物の本来的な志向に反しています。死ぬ権利などという権利は、ありません。それは、権利ではなく、そういう状況に置かれてしまった状態そのものであり、それは、自発的ではなく、受動的にそういった志向になってしまったという、一つの状態です。つまり、自発的に死ぬ権利を主張するというのではなく、いずれもが、受動的に、つまり、何らかの原因があって「死ぬ権利」ということになります。逆に言えば、精神的に追い詰められた結果ということになります。追い詰められて自らそう志向してしまうのは、損である、ということの判断が出来ず、苦痛の除去という、単純化志向に陥ってしまいます。それが「死ぬ権利」の主張です。それは、判断をした上でではなく、何らかしらのアクシデントで、判断が出来ずに、ということです。 分かりやすく言えば、寝言で、お金をあげます、と言ってしまったようなものであり、それは、多くの場合、本音とは違うはずです。きちんと起きていれば、本音の判断が出来たのに、ある状態になると、出来ないということ。よって、命は、尊いのです。