哲学・法学的に「そもそも」を考えるブログ。since 2011・3・22。

2022年7月20日、ライブドアブログより、移行してきました。

パワハラでの自殺について考える―死ではなく退職を―

今回は、時々ニュースになるパワハラでの自殺について、考えてみたい。

電通での過労死と重なった事件が想起されるが、そういう大ニュースだけではなく、刻々と進行し、そして、死を選んでしまう労働者はおり、彼ら・彼女らは、小さな記事として、紹介されるに至る。

又、最後まで隠している場合、記事にもならない案件があっても、全くおかしくはない。

 

彼ら・彼女らは、華やかで平穏な町において、我々多くが毎日毎日目にしないだけで、静かに起きている大きな問題である。

 

私はこれまで、自殺が、いかに損であるかを語ってきたところであるので、自殺がなぜいけないかについては、ここでは触れず、それは過去の記事を見ていただきたいと思う。今回は、そういうときに、そこから自殺以外で抜け出すために、どういった対処・方法があり、それをどのように実行すべきかということを中心に書いていければと思っている。

尚、私の考える方法以外にも、良案をもっている専門家は、多くいると思う。よって、私の考える方法以外にも多くの文章を読んで頂き、是非、他の専門家の意見も参考にしてほしいと思う。

私は、パワハラで自殺を選ぶくらいなら、退職することが一番良いという立場である。

これは当然とも思うのだが、これまでパワハラ自殺を選んできた彼ら・彼女らは、これを選択しなかった。考えられる理由は「そう簡単に退職なんてできない」というものだろうか。

しかし、退職はそんなに難しくない。むしろ、死を選択するくらいなら、いっそのこと、辞めるなんて何のことはないというのが私の実感である。

私のオススメするのは、本当に自殺を考え、その一歩手前のときでも良いので(本当は、もう少し前にやって頂きたい)「退職します」とメールするというものである。

そして、その後に考えられるのが、以下の5つであろう。

①無視される。

②猛烈な反撃に遭う。

③脅される。

④素直に受け入れてくれる。

⑤退職の撤回を説得され、優しい解決を望まれる。

 

このどれをとっても、有効な対処法がある。

まず、①であるが、これはこれで実は問題ない。

法律上は、2週間を過ぎれば、退職である。

難なく、2週間を過ごし、その後は、出社の必要はなくなる。

そして、退職関係の書類等がもらえなくなるのではないか等の心配もいらない。

退職後、書面で、請求すれば良い。何なら、内容証明でも利用して請求する方法もある。

 

そして、②であるが、

あまりにも酷い場合(暴力等)は、警察に相談するべきである。

又、言動がとても酷い場合は、話の途中であっても
「気分が悪くなりましたので、退席させていただきます」と抜け出せば良い。

そこで「強引に引き留められた」「閉じ込められた」場合は、逮捕監禁罪が成立するので、もはや相手は会社ではなく、犯罪集団となる。

よって、場合によっては、その場で110番して助けを求めるべき事案であろう。

それでも、2週間後には退職である。この場合、会社から1ヵ月と就業規則にある等として、退職させてくれない場合もあろう。環境が劣悪であれば即刻でも構わないが、1ヵ月程度であれば、自身の体調等と向き合って、決めるというのも一つの手である。どうしてもと言う場合は、法律上、2週間で退職できる。

 

そして、③であるが、

よく聞くのが「お前が辞めて、この会社が潰れたら、お前の責任だからな」というものである。甚だおかしいのだが、労働者たる被害者は、それをことのほか意識するらしい。

会社が潰れたら、代表者たる社長の責任。この当たり前な事実を再認識してほしい。ただし、故意に会社に損害を与えることをしていたりすれば話は別(悪質バイトのような)なので、何が何でも許されるものではないが、ただ「2週間後に辞めます」というだけで、責任が問われることはない。むしろ、会社は、経営の計画としての大原則に、社員の退職の可能性を常に考えて採用活動なりの経営をすべき義務があるのであり、個人は、退職の自由という人権を持っている。人権というのは、国家に対する請求権に限定されているものではない。

 

そして、④や⑤であれば、それを、自分自身としても、素直に受け入れればよい。

 

それから、次の人生、次の会社を探せばよい。

死より何よりもましである。死は損でしかない。