哲学・法学的に「そもそも」を考えるブログ。since 2011・3・22。

2022年7月20日、ライブドアブログより、移行してきました。

認知症について

 昔、見たNHKスペシャルで『母と息子3000日の介護記録』というものがありました。
そして、後に、完全版のような形の放送もあります。
 
 私は、当時、公的な障害者支援施設で、現場の支援員として働いており、この番組に、すごい感動を覚えたと同時に、ものすごく多くのことを学ばせて頂きました。
 
 この番組は、NHKの元ディレクター・相田洋さんという方が実際に介護した、そのままの映像です。何から何まで、全てが映されており、正にドキュメンタリーとはこのことだと思わせる作品でした。そして、さらにすごいのは、医療、介護等、その道のトップの専門家数人が、その映像を見て、これは、こういう現象です、これは、こうするべきです等と、すごく的確なアドバイスというか、意見を述べています。その意見にも、非常に価値があり、本1冊程度の知識では話にならない、本当にトップの話でした。
 
私は、こういうトップの専門家の人達が、もっと活躍できる社会にならなければいけない、とすごく思ったものです。
 
その内容を要点だけ、ほんの少し書きたいと思います。後は、皆さん、自分の目で見て頂きたいと思います。インターネットで探すのも、又、DVDとか、出ていますでしょうか、でもいいでしょう。是非、興味のある方には、実際の現場を見て頂きたいと思います。
 
認知症の問題は、みんなの共通の問題。しかし、恥とするところがある。
 恥なのではなく、共通の問題だからこそ、共有化すべき問題。
認知症は、見えないところに出てくる。押入れ、タンス、冷蔵庫など。
・ケアマネジャー(介護の計画を相談)、ヘルパー(食事を頼む)、
 施設(デイサービス)、家までくる医師や訪問看護師。以上、介護保険の制度。
認知症では、できていたものができない等というプライドが失われていく寂しさ、
 そういうものが、ふとしたところで出てくる。
認知症初期集中支援チーム
 (初期のころから、認知症の方が今後、どのような生活を送りたいか、
 現在の状況はどうか、それらを聞き取り、専門家同士で、支援の計画を練る)
帯状疱疹。近くの病院に行き、薬を処方されたが、治らない。悪化。
 →初期の対応で、軟膏だけというのはあり得ない。痛みをとらないといけない。
 
・排便の問題には、解決策がある。リズムを整えたり、食べ物で。
 周期をつくる、朝食べたら座るなど。
・年を取ると、大腸の状況もあるので、当たり前に便が出る。
 そして、気持ちが悪いから、当たり前に、手で触れる。
 いじって遊んでいるのではなく、当たり前のこと。
・何で、こういう行動をとったのか、ということを突き詰める。
 それで、解決できることって、すごく多い。
・どんな状態であれ、便は出るのが一番いい。
 だけど、出てから対応ではなく、どうにかトイレで出来ないか。
 そうすれば、介護者も、そして、されている人も、何も言われなくていい。
・医療や介護は、システムではなく、何とかしてやりたいな、というときに、
 知恵を出せ、と。
・人にも、時代にも、到達点がある。到達点以上のことは出来ない。
 専門家にもあり、その時代の、その専門家の到達点がそこだったのかな、と。
・医学は、便がでないということには、対策が出来る。
 しかし、出るなら、それ以上問題としない。それでは、本当はダメ。
 一方で、医学では、それが体系化されていないのが現状。残念ながら、
 自ら学んでいない医学の専門家が、それに気付かないのは、当たり前のこと。
・家族は、起こったことにどうするか。専門家は、起こることを予測して、どうするか。
 
・介護は、ふつう陰湿。だから、バテル。どうせなら、陽気な介護がいい。
・血管性認知症ではないか。多発性の脳梗塞などで、嚥下障害が、
 当たり前に起こってくる。そして、徐々に誤嚥性肺炎を起こしている。
 これは、予測されるべきこと。少しずつ炎症を起こしている間に、
 食べられなくなる。最後には、誤嚥する。その時に、食べさせたら最悪。
 嚥下反射が起きていないので、全部肺に入っている。
 医療知識の問題で、これを予測すれば救急車を呼ばなくて済む。