哲学・法学的に「そもそも」を考えるブログ。since 2011・3・22。

2022年7月20日、ライブドアブログより、移行してきました。

施設における介護者・支援者・介護員・支援員の役割

 これまで、様々な分野の文章を書いてきていますが、私は、かつて、公立の施設で支援員をしていたことがあり、介護と言いますか、支援というものに携わっていました。使命感とプロとしての意識を持ち、日々の業務にあたってきて、そして、その使命を果たし、後輩へ引き継ぎ、退職しました。
 
 今は、法や企画立案をしておりますが、かつては、日常の生活全般、朝から晩まで24時間。起床、歯磨きから、排泄、食事、お風呂、運動、就寝等、様々な支援を行ってきました。
 
 今回は、その中で、施設の者の役割について、施設にいるときの思考で、考えたいと思います。
 
 率直に述べれば、利用されている方、家族、施設、社会といった各々の意向、そして我々サイドの考えとの調整を行うことです。支援者・介護者と言う以上、利用されている方を中心に、その意向を尊重できる環境を提供することが、施設における我々の役割です。
 
具体的には、ゼネラルな視点を持ったスペシャリストとして、年齢、障害程度、可能なこと、体力、病歴等々が異なる利用されている方に対し、一人の人間として、又、プロとして向き合うことを意味します。困っているときに教える者として、日々接する中で教わる者として、共に会話し共に生活をする友として、一人一人を理解する専門家として、安心させ保護する者として、喜怒哀楽を分ち合う相談者として、健康や環境等に配慮する者として等々、様々な役割を使い分ける必要があります。
 
そして、様々な役割で動く中において心に留めるべき重要なことが3つあります。多様性の尊重、参加者意識、プロの自覚です。
 
第一に多様性の尊重とは、まず、他者を通してでなければ、本当の自分自身を知ったり見たり出来ないということです。自分自身が正しいと感じても、それを強引にすれば独裁であり、伸び代が小さいのです。多くの交わりと一人一人の尊重があってこそ、最大の伸び代があり、豊かになります。
 
第二に参加者意識とは、どんな場面でも、客観視を避け、自分自身が参加者であるという意識を持ち、主体的に行動するということです。0から1を作り出す気持ちで全力で臨み、もっと苦労している人がいる中で本当に困難なのかを自分自身に問いながら、全力で出来ること全てをやり、最善を尽くすべきだということです。そして、今後にもつなげるようにすることが大事になります。
 
第三に、プロの自覚とは、私情を持ち込まないこと、想定外はないということ、責任を持つということ、プロとしてのあるべき姿を目指すということになります。
 
まとめると、自らの職務の立場を深く理解し、それに基づいて、飽くなき活動をすることと考えます。
 
*上に書いたことは、どの業界でも言えることでもあります。ただ、中には、これは、不可能だ、という現場の反応もあるかも知れません。私も、働いている中で、様々な施設をみてきました。私のところは、そういうことは無いように思いましたが、理想や情熱ということでは片付けられないような、多忙でうまく回っていない施設は多くあります。どの業界でもそうだと思いますが、こういうところはこうであるべきだ、というような理想と、実際の現実がうまく噛み合わさっていないところが多く存在しています。このことも、又、事実としてあるのです。しかし、それは、私の提示がおかしいのではなく、実態がおかしいのです。実体の改善を政府は、進めるべきでしょう。