哲学・法学的に「そもそも」を考えるブログ。since 2011・3・22。

2022年7月20日、ライブドアブログより、移行してきました。

供託とは何か

 供託には、様々な意味合いがあります。
 
 一つは、自分が支払わなければいけない金銭を、相手が受取ってくれなかったり、何らかの事情で相手に渡せない場合に、その相手に渡さなくても、国の供託所へ預け、国の供託所に代わりに受取ってもらうことで、相手に渡したのと同じ効果となるもの。例えば、大家さんが追い出し目的で、家賃を受け取らず、早く出ていくように言ってきている場合があります。家賃を持っていっても、居留守を使われ、もしくは、お金など受取れないの一点張りであったとします。その場合、この供託をすることで、大家さんに家賃を支払ったと同じ効果があるのです。
 
 二つ目は、相手が損害を起こした場合にそなえて、あらかじめ、金銭などを国が預かっておき、万が一の時に、それをあてようとするもの。例えば、宅地建物取引主任者宅建業者は、供託しなければ、営業を始めることすらできません。ただ、よく間違われやすいのですが、余談で、必ずしも供託する必要はなく、保証協会を利用することも出来ます。又、供託は、現金だけでなく、決められた有価証券(株式は不可。表示されている金額そのままではないが、国債証券などは可)というものでも問題ありません。業者に預けていた手付金(「契約しましたよ。後でかかった費用から引いてね」などと、前もって渡しておいたお金)を支払ったのに、倒産、又は、夜逃げなんてことも。幽霊会社だったら危険です。特に、家を借りるというのは、ほとんどの人が避けては通れないところで、衣食住の住で、大事なところ。よって、国は、宅建業者に、供託金というお金を国に預けなさい、ということをしました。これにより、会社は、幽霊会社等では営業が難しくなり、お客さんから、一部のお金をもらってから、姿を消す、ということも出来にくくなりました。倒産しても、損害金は戻ります。よって、安心して取引できる、ということ制度です。
 
 三つ目は、選挙などに立候補の際、健全な民主主義政治・選挙のため、人気取りや、騒がし目的といった、泡沫候補(通る見込みのない候補者)等の防止の観点から、立候補に際し、金銭を預かっておき、選挙で一定の得票が得られれば返却され、一定の得票が得られなければ、没収される、というもの。
 
他にも、色々な「供託」があります。
法律を勉強したことのある人でなければ、辞書などをとっても専門用語専門用語で難しいと思いますので、解説してみました。