哲学・法学的に「そもそも」を考えるブログ。since 2011・3・22。

2022年7月20日、ライブドアブログより、移行してきました。

チェーンメールを検証する1

3・11後、様々なチェーンメールが回った。
大きく、2つのチェーンメールがある。
 
1、コスモ石油の製油所火災。「化学薬品の含まれる雨が降るので、レインコートを着ろ」というもの。
 
2、原発事故。「原発メルトダウンは深刻。福島原発破局的事故に進んでいる。チェルノブイリより酷い。これからしばらく海藻を食べ続けろ」というもの。
 
1については、これは発信者が酸性雨と勘違いをしているのだろうと思われる。製油所が火災になって、酸性の雨が含まれるということは考えにくい。
 
2については、どうだろうか。少し煽っている面は否めないが、メルトダウンがあるということは、原発事故発生からだいぶ経って公式的に認められている。つまり、このチェーンメール発生の時は「炉心溶融か」レベルであったものが、メルトダウンであり、深刻な原発事故であったことが刻々とわかってきた。海藻を食べ続けろ、ということは、ある意味福島原発周辺の一定地域では、重要な言葉だったのではないか。効果が薄いことは科学的に言われているが、昆布などを食べることは、全く意味のないことではない。うがい薬は、逆効果になるわけだが、海藻という発想はあながち間違いでもない。よって、2の方を1と同じレベルのチェーンメールと扱った報道等は、反省すべきだろう。
 
科学的に考えても、常識的にも、1と2の区別くらいつけられ得るだろう。デマと一概に片付けるということは、それに責任を持たねばならない。又、発信側にも、責任があることは言うまでもない。しかし、しかし、1と2の大きな違いは、1は可能性がゼロと言ってもいいわけだが、2は、メルトダウンという言葉が原発事故を考える上であるわけであり、可能性として、原発が危機に陥った時に想定されねばならない言葉であるということである。そのために、立地周辺の自治体には、ヨウ素が配られていて、それを住民に配布することが一定の場合に認められているのである。
 
このように、例えチェーンメールであっても、同じように考えることは危険なのである。よく考えることが重要で、自分の身は自分で守るしかないという立場に立つことが、危機の際には重要である。